電気学会全国大会講演要旨
3-152
匂いプローブペプチドとバニロイドの相互作用計測
○小野寺 武・古澤雄大・平田真悟・中野幸二・林 健司(九州大学)
バニロイド受容体(TRPV1)とカプサイシンの芳香環部分(バニリル基)の会合のメカニズムが明らかにされつつあり,トリプトファンとバニリル基がπ-π相互作用していると考えられている.このメカニズムに着想を得て,トリプトファンの蛍光を利用した匂いの可視化フィルムが提案されている.本研究では,匂い物質であるバニリンに対する選択性を高めるために, TRPV1のバニリル基受容部でヘリックス構造を有する匂いプローブペプチドを合成し,匂いプローブペプチドとバニロイドとの結合性を表面プラズモン共鳴測定装置により評価した.その結果,100 μM以上の濃度の匂いプローブペプチドで,バニロイドとの相互作用が確認できた.