電気学会全国大会講演要旨
3-156
参照電極が不要なイオンセンサの応答機構解析
◎山本貴文・小森達也・小田和代・堺 健司・紀和利彦・塚田啓二(岡山大学)
イオンセンサの利用分野は幅広く,なかでも臨床検査ではサンプルの少量化が求められ,それに伴いセンサの小型化が要求されている.しかし,従来のセンサでは構造上の制約により,小型化が困難であった.そこで本研究では,参照電極不要のナトリウムイオンセンサを開発した.センサは感応膜を一対の電極ではさみこむ構造とし,感応膜内の濃度勾配を直接測定できるようにした.また開発したセンサについて,濃度-電圧特性評価,交流インピーダンス法による応答機構の解析を行った.実験より,膜電位とインピーダンスの両方がイオン濃度に依存することがわかった.これは,溶液のイオン濃度の変化に対応して,感応膜内に取り込まれるイオンの量が変化したためであると考えられる.