近年，銅やアルミニウム等の低抵抗率な被加熱物体の誘導加熱を可能とした数10kHzから数100kHz帯の高周波インバータの導入が求められている。その中で，筆者らはこれまでに瞬時共振複素電流ベクトル制御高周波ソフトスイッチングインバータを提案し，その回路解析及び動作特性を明らかにしている。本稿では，その回路方式の拡張トポロジーとしてゼロ電流スイッチング(ZCS)及びゼロ電圧スイッチング(ZVS)方式，瞬時共振複素電圧ベクトル制御高周波ソフトスイッチングインバータを提案し，その回路動作と出力電力特性をシミュレーションにより評価した結果を述べる。