電気学会全国大会講演要旨
4-096
高効率電力変換器のための2つの断熱材容器を用いた精密な熱量測定法の実験解析
◎濁川厚志・伊東淳一(長岡技術科学大学)
近年,半導体素子や磁性材料の性能向上により,電力変換器の高効率化が進んでいる。その結果,電力変換器の損失が小さいため,正確な損失評価が困難となっている。損失評価の方法として,パワーメータを用いて入出力電力を測定し,その差分から導出する方法がある。しかし,この方法は入出力電力に対する損失の割合が非常に小さく,測定結果に測定レンジのフルスケール誤差が含まれる。一方,他の損失測定法として,電力変換器からの発熱量を用いて,損失を導出する熱量測定法がある。この測定法は,電力変換器から発生する熱量を精密に測定することで,損失を導出する。そのため,精密な熱量測定には恒温槽が必要である。しかし,恒温槽は高価であるため,構成システムが高コストとなる。また,温度が飽和するまでに時間を多く消費する。 本論文では,低コストで簡単な構成システムの熱量測定法を提案する。特にここでは,提案システムにおける容器内温度の過渡状態から,温度上昇の理論式を用いた電力変換器の電力損失を導出法について検証したので,報告する。