電気学会全国大会講演要旨
4-117
PMSMセンサレス駆動のための同一次元磁束状態オブザーバの新ゲイン設計法
○新中新二(神奈川大学)
永久磁石同期モータの駆動用電圧,電流の基本波成分を用いたセンサレスベクトル制御のための回転子位相推定法として,最近,再び回転子磁束推定を介した方法が注目を集めている。代表的回転子磁束推定法の一つとして,同一次元(4次元)磁束状態オブザーバがある。状態オブザーバにおいては,「状態オブザーバの設計」がしばしば「オブザーバゲインの設計」を意味するように,ゲイン設計が特に重要である。既に,オブザーバの安定性確保の視点から,楊の方法,山本の方法,金原の方法,新中の方法,黒田の方法,小塩の方法,長谷川の方法など,多様なゲイン設計法が提案されている。状態オブザーバはフィルタとして捕えことも可能であるが,フィルタの周波数選択特性をも考慮したゲイン設計法は,いまだ報告がないようである。本論文は,安定特性と周波数選択特性とを考慮した新ゲイン設計法を提案する。