電気学会全国大会講演要旨
4-168
マルチレベルインバータを用いた無効電力補償装置の新しい制御法
◎伊藤北斗・岡本昌幸・平木英治・田中俊彦(山口大学)
近年,電気設備の大容量化や半導体電力変換器の普及に伴って,電力系統における無効電力障害が問題となっている。この対策として自励式無効電力補償装置(STATCOM: static synchronous compensator)が広く用いられている。STATCOMはスイッチングデバイスを用いて無効電流を補償し,系統側の電力を制御する。さらに,需要側の負荷変動に起因する電源側の不平衡を補償する必要がある。本論文では,無効電力補償装置の制御法について検討する。無効電力補償装置に広く用いられている直流キャパシタ一定制御を用いることで,無効電力を補償しながら中性点電位の変動抑制および電源電流の平衡化が可能であることを計算機シミュレーションにより確認したので報告する。