電気学会全国大会講演要旨
4-190
高温超電導SQUIDセンサを用いた磁性材料の非破壊検査装置の開発
◎河野丈治・塚本 晃・安達成司・押久保靖夫・波頭経裕・田辺圭一(国際超電導産業技術研究センター)・畑 潔・小川明宏・石川文雄(中国電力)
超電導磁気センサSQUIDは低周波においても高い感度を有するため、これを渦流探傷技術と組み合わせて作製した非破壊検査システムは、深部欠陥検査に適している。しかしながら、従来のSQUID非破壊検査システムでは、測定対象が0.1 mT程度以上の磁気を帯びると、SQUIDセンサが正常動作しなくなるという問題があった。今回、表面磁化のSQUIDセンサへの影響を低減する目的で、銅ピックアップコイルを用いた非破壊検査システムを開発した。銅ピックアップコイルを磁気シールド中に配置したSQUIDセンサに外付けする方式を採用することにより、試験対象の表面が10 mT程度帯磁した状況でも正常な測定が可能となった。新型SQUID非破壊検査システムは、これまで測定が困難とされた鉄系磁性金属材料の内部欠陥探査への適用が期待できる。