電気学会全国大会講演要旨
4-191
インピーダンス計測によるコンクリート含有塩化物濃度の非侵襲測定-その3.位相角θにおける含水率・塩化物量の影響評価-
○山崎慶太・三井健郎(竹中工務店)・橋本芳雄・小林宏一郎(岩手大学)・芳賀 昭(東北学院大学)
高度成長期に大量に建設された鉄筋コンクリート構造物は,建設から約40年程度経過し,これらの構造物を維持管理していくためには適切な調査・診断が必要とされている.コンクリート構造物の劣化による性能低下の主な現象である塩害は鉄筋腐食を引き起こし被害が深刻である.我々は,構造物から試験片を採取し,多大な時間と費用を要する現状の一般的な塩化物量測定法に代わり,コンクリートの交流電気特性に着目し,薄いプラスチックフィルム(ポリエチレン)で絶縁した一対の小型の直方体の真鍮製電極をコンクリート表面に設置し,インピーダンスメータを用いてインピーダンスを測定し,含水率・塩化物量を簡易に現場で評価する方法を考案した.本方法を用いて,約300日間測定を継続し,本測定法の有効性を検証する.