本研究は，新交通システムの一つである個別輸送システムの合流部を対象としている．優先路，非優先路の2方向から車両が到来する合流部では，非優先路のみ待ち行列が形成される．そこで，非優先路上の待ち台数にしきい値を設け，待ち台によって優先路を切換える合流制御が考えられる．この状況では，優先路上にも待ち行列が形成され，二重待ち行列となる．本研究では，PRTシステムの輻輳現象の数理モデルを構築し，二重待ち行列の解析を行った．また，システムの柔軟性を考慮し，合流部を通過する際の通過遅れ時間の比率を任意に調整する方式を提案する．実現するため，通過遅れ時間の比率を，任意に調整できるしきい値の検討を行った．