電気学会全国大会講演要旨
4-232
IEC62656によるEMS間のCIM XMLデータ交換
◎王 蘭・村山 廣・細川 晃(東芝)
国際規格のIEC61968/61970、いわゆるCIM/CIS (Common information method/Component Interface Specification)規格は、スマートグリッドのコア国際標準規格の一つである。この規格は異なるベンダーが提供するEMS間のデータ交換、及びEMS内の異なるステージで利用するアプリケーション間のデータ交換を可能にする目的で開発された。本系列の国際規格は上記目的を実現する為、EMSが利用する共通のデータモデル(CIM)、及びデータ交換に利用する共通スキーマとフォーマットを定める。またCIMは発電・変電・送電・配電など幅広い対象を定義している為、ユーザは自分の利用シーンに応じてCIMのサブモデル(Profileと称する)を作成して利用している。 米国FERCが1996年にOrder888及び889、また2000年にOrder2000を制定し、EMSのデータの公開性、及びグリッド上のユーティリティ間の情報共有を要求した。またNERCは2001年にEMS間のリアルタイムデータ交換を要求する政策を公表した。このように様々なEMS間のデータ交換が要求されており、それらを実現するためEMSには共通のデータモデルが要求されている。CIMはその役割を果たすために開発された。さらにネットワークを経由するデータ交換モデルであるIEC61970-452:CIM Static Transmission Network Model Profileも定義されている。本モデルはCIMのサブモデルである。また本モデルを用いて、CIM XML(IEC61970-552)形式でのEMS間のデータ交換が行われている。上記CIM XML用いて、米国EPRI(Electric Power Research Institute)がGE、ABB、AREBA等が提供するEMS用いて、データ交換の実証実験を長年に渡って行ってきた。本稿はこのCIMをIEC62656に定める表形式に、CIM構成要素であるクラスや、属性等のオブジェクト毎にバージョン管理および部分更新を可能とした交換方式について述べる。