電気学会全国大会講演要旨
4-242
トロリバスの追い越し
○久保智裕(徳島大学)
昭和40年代に,日本の都市ではトロリバスが相次いで廃止された.その主な理由は,架線から受電して走行するという構造のために柔軟な経路選択ができなかったからであると言われている.しかしバッテリ技術が飛躍的に進歩した今日,しばらくの間ならばトロリバスは架線を離れて走れるので,内燃機関のバスのように自由な経路選択が可能になってきた.また最近では地球温暖化防止の観点から電気自動車の普及が叫ばれるようにもなってきた.電気自動車はエネルギ効率が良く,排気ガスも出さず,環境にやさしい乗り物である.そこでもう一度,トロリバスの良い点を見直す時期に来ているのではないかと考えられる.本稿では,トロリバスの構造によって生じる経路選択の不自由さの中から,とくに追い越しについて検討を行う.そして停車することなくトロリポールを架線に接続する機器の使用を前提として,トロリバスがトロリバスを追い越す方法について提案する.