電気学会全国大会講演要旨
5-008
小型高効率モータのための磁性体マルチスケール
○藤崎敬介(豊田工業大学)
今後の更なる小型高効率化を図るうえで磁性体マルチスケールは、モータ特性を材料の視点でとらえるだけではなく、モータからみた材料についても考察する手法として今後の研究に重要な視点といえる。モータの電磁鋼板は、結晶粒界で区切られた鉄の多結晶体で構成されており、それぞれ異なる結晶方位を有している。このため、鋼板内の磁束密度分布は均一ではない。各結晶粒では、飽和磁化ベクトルの方向が異なる磁区構造を有しており外部励磁による磁壁移動により鋼板が磁化される。飽和磁化は鉄原子の電子スピンで決められ、鉄原子の結晶方位により磁化特性が異なる。このため結晶方位による磁気特性が異なる磁気異方性現象を有する。