電気学会全国大会講演要旨
5-015
同期機における永久磁石渦電流損分離のための拘束試験-電機子巻線の高調波電流分布の影響-
山崎克巳・◎宇都野和哉(千葉工業大学)・赤津 観・中尾矩也(芝浦工業大学)
PWMインバータで駆動される永久磁石同期機は,可変速運転が行なえる反面,インバータの電流・電圧波形に含まれるキャリア高調波によって,機内各部で無視できない高調波損失が発生する。特に永久磁石の高調波渦電流損は,永久磁石の熱減磁を引き起こす直接的な原因となるため,定量的な評価が重要といえる。このような背景から筆者らは,回転子拘束試験によって,インバータキャリアによって発生する永久磁石渦電流損を分離して測定する方法を提案した(1)。本稿では,電機子巻線の高調波電流分布が測定に与える影響について,電磁界解析を用いて検討した。その結果,本試験の妥当性が確かめられた。