電気学会全国大会講演要旨
5-064
輸送障害削減を目指した信号設備の状態監視のあり方に関する研究
○丹治智仁(東日本旅客鉄道)
信号設備は信号機や軌道回路、転てつ機等の現場設備をはじめ、電子連動装置や運行管理システムなど多種多様な設備で構成されている。これらの設備の状態を人手によって把握することは困難である。そこで集中監視装置を導入して設備の状態監視を行っている。現状の集中監視装置は測定項目や検知項目が限られている、故障検知や設定値オーバーで警報するシステムである、データ蓄積の周期が粗い等の理由で故障の原因や予兆を掴みにくいという課題がある。 輸送障害を削減するために求められる状態監視の機能として、①故障予兆把握、②原因分析、③現場復旧支援の3つが考えられる。特に故障を検知してから現場で原因を調査し復旧する現状の流れは、調査時間がダウンタイムに大きく影響する。そこで本研究では②の原因分析に着目し、監視装置に原因を特定できる機能を持たせることによって、ダウンタイムを短縮することを目的とする。