電気学会全国大会講演要旨
5-075
数理計画モデルによる各駅間運転時分の最適調整法
○宮武昌史(上智大学)
鉄道の更なる省エネを考えるとき,機器単体の効率向上だけではなく,鉄道システム全体での総合的な対策が今後望まれる。そのなかで筆者は,駅間の運転時分の最適化について,「等増分消費エネルギー則」と名付けた普遍的な省エネ原理を明らかにし,省エネルギーなダイヤを検討してきた。本稿では,そのモデルを拡張し,数値的な最適化を前提としてより複雑な条件に対応した一般性を持つモデルを提唱した。また,簡易なケースでシミュレーションを実施し,利用者の利便性をほとんど変えずに数%の省エネが可能な見通しを示した。今後は,運行管理面や利用者の効用の面などから,総合的に論じる必要があると考えられる。