電気学会全国大会講演要旨
5-078
SiCパワーモジュール適用鉄道車両用インバータシステムの省エネルギー運転について
◎山下良範・草野健一・小林知宏・中嶋幸夫・金子健太(三菱電機)・生方伸幸・深澤真吾・山野井秀明(東京地下鉄)
炭化ケイ素(SiC)はパワーエレクトロニクス分野においてキーとなる重要なデバイスである。炭化ケイ素の絶縁破壊電圧は、従来機器に使用されているシリコン(Si)に比べて約10倍である。このため、半導体を薄くして低抵抗の構成が可能となり、パワーデバイスにおける大幅な低損失化が可能となる。本論文では、SiCを適用したパワーデバイスを使用することにより実現される鉄道車両用インバータシステムの省エネルギー運転について報告する。東京地下鉄・東西線を例としたシミュレーションでは、Siを適用した装置に対して、SiCパワーモジュールを適用した場合では、回生ブレーキの範囲が拡大し、30%の省エネ効果が得られた。