電気学会全国大会講演要旨
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275kV高温超電導ケーブルにおける複合段絶縁による高電圧化と誘電損失低減の両立
井上真彰・◎西町誠一郎・小島寛樹・早川直樹・花井正広(名古屋大学)・丸山 修・大熊 武(ISTEC-SRL)・八木正史(古河電気工業)・大久保 仁(名古屋大学)
275kV高温超電導ケーブルの開発においては高電圧電気絶縁と誘電損失低減の両立が求められている.そこで筆者らは,絶縁層に高絶縁性能(PPLP-C)と低誘電損失(Tyvek)の2種類の絶縁材料を用いる複合段絶縁を提案し,検討を行った.超電導層外半径=17.7mmで固定し,絶縁層外半径と絶縁材料の割合を変化させて計算を行い,最大電界/PDIEと誘電損失の関係を導出した.その結果,最大電界/PDIE=90%,絶縁層外半径=44mm,PPLP-Cの割合が22%の時に,絶縁層全てがPPLP-Cの場合と比べて誘電損失が30%まで低減できることを示すことができた.以上から,複合段絶縁が高温超電導ケーブルの高電圧化と低誘電損失化に寄与することを定量的に明らかにした.