電気学会全国大会講演要旨
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YBCOコイルに加わる過渡的熱応力分布の解析
◎佐藤裕太・高橋利典・後村直紀・宮城大輔・津田 理・濱島高太郎(東北大学)
YBCO線材は高磁界中で高い電流密度を有するので,超電導磁気エネルギー貯蔵装置(SMES)等への応用が期待されている。しかし,YBCO線材は積層構造をしており,冷却時や昇温時に熱応力が発生し線材が剥離してYBCOコイル性能が劣化するという問題が発生している。本報では,コイルを液体窒素温度から昇温した時の過渡的な温度分布での応力の解析を行った結果について報告する。YBCO線材中の各要素間に働く熱応力と昇温時の過渡的な温度分布を半径方向について解析を行った。その結果,コイル表面の昇温度合の違いにより半径方向の温度分布・熱応力分布に違いが生じた。この結果より,コイルを急激に昇温すると応力値が非常に大きくなり剥離しやすいことが分かった。