電気学会全国大会講演要旨
5-126
絶縁油の低温分解についての検討
○土江基夫・匹田政幸(九州工業大学)・五十嵐克之(北芝電機)
変圧器の保守管理として,絶縁油中ガス分析による異常診断が用いられる。異常時に発生する可燃性ガスの種類と量とから変圧器内部異常の種類や大きさを推定することが可能である。300 ℃以下の低温過熱に関しては,絶縁システムの劣化の初期の様相を把握するため検討する必要がある。しかし,発生エネルギーが小さく発生可燃ガス量が少なく,これまでも系統的なデータの蓄積や解釈が余りなされていないのが現状である。以上の観点から,筆者らは絶縁油の低温過熱異常模擬試験を行なってきた。本報告では,低温過熱異常を模擬した実験結果から,絶縁油の熱分解時における反応次数について検討した。