電気学会全国大会講演要旨
5-127
植物油系絶縁油の劣化と酸素の挙動
○西川精一・髙本 清・金田尚士・大浦嘉幸・山中 功(かんでんエンジニアリング)
近年、環境配慮への対応からエステル系絶縁油の研究や実用化が増加してきた。特に天然エステル油(植物油)は生分解性に優れ、高引火点であるとともにカーボンニュートラルであり、防災性と環境性に優れる。しかし、国内の使用実績が乏しく、劣化挙動に関する知見が少ない。本稿では、天然エステル油として菜種油を用い、鉱物油系絶縁油と酸化劣化挙動の比較検討を実施するとともに、油種による劣化特性の違いについて原因を考察した。その結果、空気の供給方法によって油中酸素濃度に差が生じる事、油中酸素濃度の温度依存特性が油種によって大きく異なる事を実験的に示し、絶縁物の経年劣化への影響についても検証した。