電力機器用エポキシモールド変成器はリサイクルが難しく，従来から大部分は埋め立て処分され，資源の有効活用がなされていない。エポキシモールド変成器のリサイクル技術確立を図るべく，常圧溶解法に着目し，溶解により得られた充填材について，異物調査とエポキシ樹脂に配合した場合の作業性を検討した。 検討の結果，溶解により得られた充填材には微量の異物が混入するが，樹脂に配合しても低粘度化する傾向にあり，作業性は悪化しない。また，溶解により得られた充填材を用い，実器製品を試作したところ，製品表面にヒケが発生し，製造プロセスにおいては課題が残ったが，良好な絶縁性能を有しており，製品適用への可能性を得た。