電気学会全国大会講演要旨
5-129
変圧器油における被覆ギャップ絶縁破壊特性
○井上 保・吉田 聡・山田 慎・寺西常治(東芝)
油入り変圧器で使用される絶縁油の絶縁特性の一つとして,絶縁破壊電界(E)とその油道距離(d)の関係,いわゆる,E-d特性が知られているが,ワイブル確率分布を使用した理論的検討との不一致が指摘されている.筆者らはこれまでに裸電極の平等電界での交流電圧(ac),雷インパルス電圧(LI),開閉インパルス電圧(SI)のE-d特性を調査し,油ギャップの破壊電界(BDE)はギャップ長に対して約(-1/3)乗で低下するという従来の定説とは異なり,その傾きはこれよりフラットであることを明らかにしてきた.今回は,これまでの裸電極による検討からさらに変圧器の内部条件に近づけるため,被覆電極を使用して同様の調査を実施し,BDEのギャップ長特性とばらつきに関して,これまで取得してきた裸電極ギャップにおけるデータと比較した.