電気学会全国大会講演要旨
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油/プレスボード複合絶縁系での部分放電発生箇所に及ぼす油隙長の影響
◎梅本貴弘・海永壮一朗・釣本崇夫・武藤浩隆・石倉隆彦(三菱電機)・杉谷直紀・森田誠士・小迫雅裕・匹田政幸(九州工業大学)
電力用油入変圧器に存在する様々な寸法の油隙を模擬した油/プレスボード複合絶縁系において、油隙長を1.6 mmから9.6 mmの間で変化させ、デジタルカメラを用いて放電発生箇所の観測を行なった。その結果、以下の2点が明らかになった。 (1) 油隙長1.6 mmから4.8 mmの範囲では、油隙長の拡大に伴って放電起点が油隙部からスペーサ沿面へと移行する一方で、油隙長4.8 mm以上ではスペーサ沿面から油隙部へと移行する。 (2) 油隙長4.8 mm以上の長ギャップ側では、油隙の拡大とともに体積効果によって油中の放電開始電界が低下するため、油中での放電が増加すると考えられる。一方、油隙長4.8 mm以下の短ギャップ側ではプレスボード表面に存在する微小突起による局部電界集中の影響、微小突起を起点に放電が発生すると考えられる。