電気学会全国大会講演要旨
5-137
絶縁皮膜の無い積層鋼板の低周波及び高周波励磁下の絶縁必要性の判定指標の検討
◎赤木 陽・高橋大輔・中野正典(岡山大学)・土井祐仁(信越化学工業)
積層鉄心において,通常鋼板間は渦電流損を低減するため絶縁されている.ところが,磁石の場合や積層鋼板の幅が小さい場合には,絶縁加工が施されていなくても絶縁が保たれることが報告されている.我々は既に,絶縁処理を施さずに積層した鋼板の絶縁性能の検討を行うため,SPCC鋼板を積層した試料を用いて,三次元有限要素法により,低周波の場合の渦電流解析を行い,等価回路の考え方を援用して接触抵抗が渦電流の渡りについて考察を行っている.本報告では,高周波で積層鋼板が励磁された場合でも,表皮深さを考慮した鋼板の抵抗値と積層間の接触抵抗値(判定指標)を用いることで,積層間の絶縁が無い場合の渦電流損の増加量を定量的に評価出来ることを示す.