電気学会全国大会講演要旨
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辺要素有限要素法より得られる実対称疎行列に対するEisenstatの方法を導入した前処理付きMRTR法の有効性
◎岡本吉史・圓谷友紀(宇都宮大学)・藤原耕二(同志社大学)・里 周二(宇都宮大学)
有限要素法による電磁界解析では,対称疎行列で構成された線形方程式の求解時間が,総計算時間の大部分を占める.それゆえ,磁界解析のさらなる高速化のために,線形方程式解法の高速化は必要不可欠である.辺要素有限要素法より得られる特異な実対称疎行列の線形方程式解法としてICCG法が広く普及している.その一方で,CG型の三項漸化式に基づく最小残差(MRTR)法が提案されており,使用する前処理によっては,ICCG法よりも高速に求解できる可能性がある.本稿では,計算量を大幅に削減できるEisenstatの方法を導入した対称ガウスザイデル前処理や,その他の前処理がMRTR法とCG法の収束特性に与える影響を比較検討したので,報告する.