電気学会全国大会講演要旨
7-006
クエン酸の添加による水素化ホウ素ナトリウムの低温時における水素生成速度の改善
◎友田圭祐・室岡慎一郎・星 伸一・春名順之助(東京理科大学)・曹 梅芬(東京都立産業技術高等専門学校)・吉崎敦浩・平田敬一(ハイドリック・パワーシステムズ)
著者らはこれまでに,水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)を燃料とする水素生成器を提案・製作し,連続的に水素生成可能であることを実験により検証した。この方式の課題の一つとして,NaBH4の加水分解時に使用する水温が常温,または低温である場合,触媒存在下でも反応速度は遅く,燃料電池への水素供給に時間が掛かってしまうことが挙げられる。そこで本稿では,NaBH4の加水分解反応時の水温が常温,または低温である場合でも急速水素生成が可能な,クエン酸の添加による方法を検討した。この方法を用いることで,燃料電池の起動時間の大幅な短縮が可能であり,水素タンクを用いた場合と同等の発電能力を有することを実験により示した。