電気学会全国大会講演要旨
7-013
内部抵抗推定による異常電池セルの検出
○坂田康治・森本孝司・戸原正博(東芝)
定置型蓄電池システムにおいて、個々の電池セルの状態(直流内部抵抗)を監視し、電池セルの異常を早期に検出するための方法を検討した。再生可能エネルギーの出力変動抑制に蓄電池を用いた場合、その充放電電流は常に変動しており、従来の方法では稼働中の充放電データから内部抵抗を推定することが困難である。そこで、電流波形と電圧波形にウェーブレット変換を施し、同一時刻におけるそれぞれの信号強度の比から内部抵抗を求め、蓄電池システムを停止することなく内部抵抗を推定する方式を開発した。また、セル毎の内部抵抗値に基づいた統計処理により、正常な電池セル群と比べて内部劣化の大きい異常セルを判定する方法について検討し、これらの手法を用いた異常検出手法の取り組みについて紹介する。