電気学会全国大会講演要旨
7-088
二次分圧器を考慮した160kV 制動容量型雷インパルス電圧測定用分圧器の開発
里 周二・仲山雄貴(宇都宮大学)・西村誠介・◎清水博幸(日本工業大学)・岡本吉史(宇都宮大学)
筆者らは近年,制動容量型雷インパルス電圧波形測定用分圧器を開発してきた。良く知られているように,この型の分圧器は低圧部の調整が必要である。逆に,低圧部の調整さえうまく行けば単純にC-R 素子を何段にも重ねることにより,希望する耐圧の高性能分圧器を簡単に製作することができる。 近年では高精度の数値コンボルーション技術(3)も発達しているため,低圧部の調整はEMTP を代表とする回路シミュレータと組み合わせることにより,比較的簡単に行うことが可能である。今回,筆者らは以前の分圧器に比べ,高圧部を単純化するとともに,スケール・ファクタの値を高くするため低圧部につながる二次分圧器を追加した測定システムを構築し,その性能を測定したところ,極めて高いインパルス応答を持つことが確認された。また,二次分圧器の追加により従来(2)のスケール・ファクタ(300)を大きく上回る2200 とすることが可能となった。これにより,160 kV+10%の電圧が印加されても,ディジタル・レコーダへの入力電圧は80 V となり,応答性能のみならず,実際の耐圧性能も兼ね備えた測定システムを完成することができた。本論文では,以下にその詳細を報告する。