電気学会全国大会講演要旨
7-101
トラッキングの発生メカニズムと防止方法
○松野直也(北海道電力)
トラッキングの発生がどのように起こるかを確認するため、複合サイクル試験を行いながら熱画像カメラによるドライバンド形成状態を確認する試験を実施した。 ドライバンドとは絶縁物表面の汚損が進むと、漏れ電流によるI2R による発熱によって乾燥が進み、乾燥によってRがさらに上昇し、最終的には乾燥した箇所が絶縁物を一周する形で形成されることからこのように呼ばれる。 ドライバンド形成箇所では狭い範囲で線路電圧のほぼ全てが印加されており、コロナ放電や微小アーク放電が起きているため、この部分からトラッキングへと発展していく。 碍子部とリード線とを組み合わせたブッシング等では径の細いリード線にドライバンドが移動するため、この部分における有効な防止対策を開発したので報告する。