電気学会全国大会講演要旨
3-096
トップランナー基準の政策評価:エアコンの事例研究
◎荒川 純・秋元圭吾(東京大学)
省エネ法に基づくエネルギー効率規制であるトップランナー基準制度について、家庭用ルームエアコンの事例をとりあげ、政策による省エネルギー効果とそれにかかる社会的費用についてそれぞれ分析し、定量的かつ総合的な評価を行った。これにより、検討対象の規制は、過去の1次規制および直近の2次規制ともに、社会の総計として便益を生みながら消費電力量を削減するという優れた費用対効果を有する政策措置であることを確認した。ただし直近では、それまでの技術進展に伴い、さらなる機器の省エネ化に向けた追加コストの増大および消費電力量削減率の減少により、過去に比べて政策の費用対効果が大幅に低下してきている現状を定量的に把握した。