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鉄鋼業のエネルギー需給構造を詳細化した多部門エネルギー経済モデルの開発
◎高橋優人・小宮山涼一・藤井康正(東京大学)
地球温暖化や化石資源枯渇の観点から,現実的かつ具体的なエネルギー・環境政策を議論するため,政策による日本経済への影響を詳細に評価する手法が求められている.そこで現在,エネルギー・環境・経済を有機的に統合し,整合的に政策を考えるための手法の開発が進められている.本稿では,国内エネルギー消費量の10%を占め,二酸化炭素排出量でも15%を占める鉄鋼業について,物量ベースの工学的な観点から,設備や技術の制約を考慮した多部門経済モデルを開発し,より実効的なエネルギー・環境政策の評価を行った.高炉・転炉や電気炉などの詳細な電力・エネルギー需給構造をモデルに取り込んだ.