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量子電圧雑音源を用いたボルツマン定数の精密測定
◎吉田俊介(東京都市大学)・山田隆宏・浦野千春・山澤一彰・金子晋久・福山康弘・丸山道隆・堂前篤志・山森弘毅(産業技術総合研究所)・桐生昭吾(東京都市大学)
我々はボルツマン定数kの再定義を目指して熱雑音の精密測定に取り組んでいる。水の三重点に置いた抵抗温度計の抵抗値はブリッジで測定し、雑音電力はジョセフソン任意波形発生器で生成する量子電圧雑音信号を基準に測定する。これらの測定値と、ナイキストの熱雑音公式からkの絶対値を精密に得ることができる。
測定回数Nの増加とともに統計的不確かさは√Nに比例して単調に減少し、約半日間の測定で20ppmに達した。測定から求めたボルツマン定数の絶対値と現在の定義値との間に数十ppm程度の差が見られている。講演は現時点での合成不確かさについて議論し、現状の問題点とその解決策について述べる予定である。