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超音波顕微鏡を用いた粘弾性イメージングと肝癌検出への応用
◎梶間翔太・Indra Gunawan Agus・中村優志・吉田祥子・穂積直裕(豊橋技術科学大学)・小林和人(本田電子)
筆者らは、超音波顕微鏡を用いて生体軟組織の粘弾性パラメータ分布を表示できれば、光学的観察に必要な染色の過程を経ずに、定量的な観察が可能になると考えている。筆者らが提案している音響インピーダンス顕微鏡は、高分子基板に接する標的に対し、基板の反対側からパルス状の集束超音波を送波し、反射信号を測定する。参照物質を標的としたときの反射と比較し、標的の特性音響インピーダンスを表示する。振動子を走査して、顕微画像を得る。集束超音波には垂直入射成分の他に斜め入射成分が含まれるため、基板入射時に横波超音波が発生する。縦波の音響インピーダンスから体積弾性率、横波の音響インピーダンスからはずり弾性率と粘性が推定することができる。縦波・横波を用いて生体組織の観察を行い、体積弾性率、ずり弾性率、粘性分布を作成し、各分布を比較した。