日本の交通事故死亡者に占める高齢者の割合は増加傾向にあり，高齢歩行者を対象とした事故防止の取り組みは重要である.本研究では車両の接近距離に応じて横断歩道の線の色を変化させることで歩行者に危険を知らせる「インフラ協調型横断支援システム」を考案し，歩行環境シミュレータを応用したVR環境でシステムの効果を調べた．本システムでは車両速度が20km/hまたは40km/hの2条件とし，手前車線および奥車線のみで車両を走行する条件を設定した．また，横断歩道の色を変更する条件として従来の横断歩道および接近車両に応じて横断歩道の色を変更する場合の2条件を設定した．本検査により横断歩道の線の色を変えて車両位置を歩行者に知らせることで事故発生率を低減できることを確認し，インフラ協調型横断支援システムの有効性を確認した．