電気学会全国大会講演要旨
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表裏異種の合成繊維布帛へのAr誘導熱プラズマ照射による溶発現象と溶発蒸気温度評価
◎宇都宮裕人・石田昌弘・田中康規・上杉喜彦・石島達夫(金沢大学)・羽木裕康・溝渕敦史・内堀恵太(カネカ)
合成布帛の中には,高温にさらされた際に溶発するものがある。 電気事故の一つであるアークフラッシュ事故の際,溶発時に布帛表面から噴出する蒸気の高速流により,防護服表面への熱流速を低減させることで,防護服の耐熱性能向上効果を期待している。 今回,アクリル系繊維のみ,あるいはパラ系アラミド繊維のみを使用した布材,および2種類の繊維を編み合わせた布材を作成した。編み合わせ方によって,表裏で組成の異なる布材を生成した。 これらの布材に対し,Ar 誘導熱プラズマを照射し,分光観測を行った。 アクリル系繊維が照射面の場合,溶発蒸気量が多く,その主な組成分子はC2分子およびCN分子であると推定できた。