電気学会全国大会講演要旨
2-003
窒素イオン照射を用いたPTFEの接着力向上-破壊形態変化が及ぼす接着力への影響-
◎高田輝努・岩尾 徹・湯本雅恵(東京都市大学)
現在プリント基板材料として用いられている代替材料として,低誘電率や熱安定性などで優れた特性を持つPTFE(PolyTetraFluoroEthylene)が注目されている。しかし,PTFEは接着力が乏しいため接着性の改善のために表面改質が必要となる。そこで,窒素イオンを照射する改質方法を用いたところ,照射エネルギーの増大に伴い接着力が20 N/mから1500 N/mに向上した。そこで,接着力向上要因を明らかにするために,剥離試験における試料の壊れ方の違いに着目した。まず,XPS(X-ray Photoelectron Spectroscopy)の分析によって,PTFEの内部で破壊が生じていることが分かった。つぎに,剥離試験後の試料表面をSEM(scanning electron microscope)で観察した結果,処理後の試料表面が毛羽立っている様子が観察できた。