2-007
沸騰水型原子炉格納容器から採取されたエチレンプロピレンゴムケーブル絶縁体の人工追加劣化挙動
◎布施則一・本間宏也・岡本達希(電力中央研究所)
沸騰水型原子炉格納容器内での安全系ケーブル絶縁体の経年変化メカニズム解明を目的に,上表記実機絶縁体についてwear-out法に基づく人工追加劣化を実施した。機械力測定の結果,実機の追加劣化時の挙動は,新品の加速劣化試験結果よりも緩慢となった。赤外分光でもこれを裏付ける結果が得られた。破断伸びと引張強さの相関関係から,実機試料では人工追加劣化開始から架橋反応が進んでいると示唆された。表記格納容器内環境は低温,低線量率,低酸素濃度であり,これらの複合的効果,あるいは添加剤の効果が上記架橋反応を人工追加劣化中でも発現し,酸化劣化に伴う分子鎖切断および機械力の低下を抑制すると考えられる。