電気学会全国大会講演要旨
2-043
超純水の短ギャップ交流絶縁破壊特性
◎佐藤広治・小島寛樹・花井正広(名古屋大学)・加藤克巳(新居浜工業高等専門学校)・早川直樹(名古屋大学)
本論文では,超純水の絶縁破壊特性について調査を行った.超純水の絶縁破壊電界のギャップ長依存性において,0.055 µS/cmの超純水では,絶縁破壊電界は14 kVrms/mmでほぼ一定であることが確認できた.一般的に,液体絶縁物においては弱点破壊により,ギャップ長の増加と共に絶縁破壊電界は低下するが,超純水にはその傾向が見られず,超純水中の不純物が極めて少ないことを意味していると考えられる.絶縁破壊電界の導電率依存性においては,導電率の増加と共に絶縁破壊電界は低下する傾向にあった.導電率の増加によって純水中を流れる電流が増大して絶縁破壊が発生したと考えられる.