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エナメル平角電線の部分放電開始電圧および表面電位分布推移に与えるプレ放電の影響
○脇本 亨・小島寛樹・花井正広・早川直樹(名古屋大学)
筆者らは電気車両用モータに用いられるエナメル平角電線において、線間のプレ放電が部分放電開始電圧(PDIV) とそのばらつきに与える影響を調査し、これまでに高湿度環境下においてPDIVは過渡変動特性を示しその要因として皮膜表面導電率の変化が考えられることを示してきた。今回さらに、プレ放電がPDIVとPDIV測定前の皮膜表面の電位分布に与える影響を調査し、プレ放電初期(プレ放電時間0s,30s)は局所的に表面電位が上昇することでPDIVが低下するのに対し、プレ放電時間100sでは表面電位上昇が見られず、PDIVも上昇することを明らかにした。これは、プレ放電で表面が活性化されることで皮膜表面導電率が上昇し、放電電荷が拡散したためと考えられる。