電気学会全国大会講演要旨
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近接昇華法によりサファイアa面上へ作製したAgAlTe2およびAgGaTe2の配向性評価
◎薄井綾香・宇留野 彩・井上朋大・竹田裕二・小林正和(早稲田大学)
近年、光吸収が強く薄膜でよいため太陽電池作製に適しているカルコパイライト系I-III-VI2族化合物半導体が注目されている。我々は従来、AgGaTe2とCuGaTe2に着目して近接昇華法を用いて結晶成長を行ってきた。AgGaTe2のバンドギャップは太陽電池に適した値より少し小さいため、バンドギャップを制御して最適な値とするようAgGaTe2と他のI-III-VI2族化合物半導体とで混晶を作製することとした。そこでバンドギャップが大きく他のIII族元素と比べ安価で無毒なAlを含むAgAlTe2に着目した。AgGaTe2はサファイアa面基板上に作製されると(103)面と(110)面に配向することがわかっている。AgGaTe2とAgAlTe2とは同一の結晶構造を持ち、互いの格子定数も比較的近い値を持つため、ほぼ等しい配向性を表すことが予想される。したがってAgGaTe2との配向性の相違について検討した。