電気学会全国大会講演要旨
2-141
窒化鉄箔の生成に及ぼすCO2添加の影響
◎村田利明・新妻清純(日本大学)
窒化鉄はレアアースレス磁石材料の一つであり,1972年,東北大学のT.K.Kim氏と高橋實博士らによって提唱された.高橋博士らは,真空蒸着法で作製した窒化鉄薄膜のα"-Fe 16N 2が純鉄を上回る高飽和磁化値を有することを報告した.しかし,実験データの再現性に乏しく,安定した生成は行えなかった. この原因として,高飽和磁化値を持つ窒化鉄の生成には,何らかの不純物が影響を与えていることが挙げられる.これらの不純物は,空気中に含まれている二酸化炭素や酸素,油拡散ポンプに使用されているオイルに含まれる炭素などが考えられる. そこで本研究では,窒素プラズマ照射法を用いた窒化鉄箔の生成に及ぼすCO 2の影響を, 深さ方向における窒化鉄の生成の観点から検討した.