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集合組織制御による6.5%けい素鋼板の磁気特性改善
◎大久保智幸・平谷多津彦・尾田善彦(JFEスチール)
本研究では6.5%けい素鋼板の磁気特性をさらに改善するため、集合組織を(110)[001]に制御した方向性6.5%けい素鋼板を作製することを検討した。集合組織の制御方法として、市販の方向性けい素鋼板を冷間圧延で薄手化したのち、焼鈍することにより強い(110)[001]集合組織を得る手法(以下、リロール法)を用いた。リロール法と浸珪処理の組み合わせで作製した板厚0.10mmの方向性6.5%けい素鋼板は、従来の6.5%けい素鋼板にくらべて、高い磁束密度を示した。また、鉄損は広い領域において優れた鉄損を示した。この鉄損改善は主に履歴損改善に起因しており、渦電流損は従来材とほぼ同等であった。