3-003
電気泳動処理後のタンパク質を対象としたTHz波による非染色可視化技術の構築
◎上野智之・今野 大・鈴木雅史・吉村 昇・水戸部一孝(秋田大学)
患者の病態を把握するための検査手法である電気泳動法は,熟練の技術を要する病理診断技術である。本研究の目的は,可視光と電波の境界領域に存在するTHz波を使用し,タンパク質の可視化処理を簡易化するイメージング技術を構築することである。電気泳動の一種であるSodium Dodecyl Sulfate Polyacrylamide Gel Electrophoresis処理後のサンプルにTHzイメージング技術を組み合わせ,THzイメージングに特化したタンパク質の可視化手法を検討した。その結果,THz波によってタンパク質を可視化できることを実証した。同時に,タンパク質量が多いサンプルほどTHz波の吸収が強いことがわかった。本研究の知見より,THzイメージング画像から個々のタンパク質量を定量できるシステムの実現が期待できる。