電気学会全国大会講演要旨
3-120
ボロン酸誘導体による二リン酸特異的結合様式の発見と新規ピロリン酸検出法への展開
◎三條 舞・松元 亮・宮原裕二(東京医科歯科大学)
本研究はピロリン酸(PPi)を高感度かつ定量的に検出する技術を確立するため、電位計測を用いた新たなPPi検出法を提案する。PPiを選択的かつ繰り返し捉えることが出来る機能性分子としてピリジルボロン酸(PyBA)に着目した。すなわち、PPiの水酸基に対してPyBAのボロン酸基が安定なエステル錯体を形成するものと考え、その可逆的な性質を利用して検出感度の低下を引き起こすことなくPPiを繰り返し高感度に認識できると考えた。ここでは、PyBA基とPPi基間結合の相互作用を核磁気共鳴測定また質量分析法によって評価し、その平衡定数と結合形態について考察した。さらにPyBA誘導体SAM修飾を施した金電極によるPPiの電位検出の結果をあわせて報告する。