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正負対称接続昇圧チョッパを用いたソーラーパワーコンディショナ
◎安間良祐・藤田英明(東京工業大学)
本論文では,S相接地系統用ソーラーパワーコンディショナの新しい回路方式を提案する。これは,正負対称接続した2台の昇圧チョッパを用いた回路構成に特長があり,直流リンク電圧を系統電圧に応じて脈動させる。これにより,各スイッチング素子にスイッチングを休止可能な期間が生じるため,同一キャリア周波数の下でスイッチング回数を低減できる。その結果,従来の回路方式で支配的であったスイッチング損失の大幅な低減が可能となる。実験により提案回路の効率測定を行った結果,測定を行った全出力域で従来方式に比べて高い効率が得られた。5 kW出力時の電力変換効率は従来方式が92.9%であったのに対して,提案方式では95.5%となり,2.6%の効率改善を達成した。