電気学会全国大会講演要旨
4-109
複雑なインダクタンス空間分布を持つIPMSMのための停止・低速時の位置センサレス制御実験
○袁 汀・蔣 雅培・道木慎二(名古屋大学)
IPMSMの制御には磁極位置情報を必要とするが,メンテナンスやコストの観点から,位置センサレス制御が望まれている.一般的な停止・低速領域の位置センサレス制御では,インダクタンス分布が正弦波分布のを前提としているが,車載用など高出力密度化を図ったモータでは,磁気飽和しやすく,インダクタンス分布がその影響を受けて複雑に変化するため,位置推定精度に悪影響を及ぼす.これに対して著者らは,パターンマッチングを用いた位置推定法を提案し,その可能性と実現方法の検討を行っている.本稿では,複雑なインダクタンス空間分布を持つIPMSMを対象に,提案手法による位置センサレス制御系を構成し,低速駆動実験を行ったので報告する.