電気学会全国大会講演要旨
4-163
シュレディンガー方程式に基づく確率的外乱を考慮した外乱オブザーバの設計法
◎竹屋正樹・桂 誠一郎(慶應義塾大学)
半導体加工をはじめとする近年の産業技術の発展に伴い,産業用ロボットの高精度なモーションコントロールが要求されている。しかしながら,アクチュエータを用いた精密な操作はセンサノイズや分解能間の位置観測といった確率的外乱の存在により、所望の精密な動作が達成できない。確率的な現象を扱う分野として量子物理学があり,シュレディンガー方程式を用いることで物体の確率的な振舞を直接扱うことが可能である。そこで本研究では,センサノイズによる確率的外乱を含む運動方程式をシュレディンガー方程式に基づいたモデルに変換することで,確率的外乱の補償を行うオブザーバを提案する。リニアモータを用いた位置制御実験により提案手法の有効性を確認する。