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確率動的計画法による災害拠点病院の最適電力調達戦略の分析
◎長谷川圭太・小宮山涼一・藤井康正(東京大学)
東日本大震災以降、災害時に被災地で傷病者の治療を行う中核的施設である災害拠点病院においては、燃料供給途絶時・停電時においても病院機能を維持することが至上命題であると強く認識され、災害拠点病院のBCP(事業継続計画)策定が喫緊の課題となっている。本稿では、災害時の燃料・電力供給途絶という不確実性を考慮可能な総コスト最小化型モデルを確率動的計画法により定式化し、災害拠点病院における電力供給システムの客観的かつ定量的な評価手法の提案と最適電力調達戦略の導出を試みた。その結果、災害発生時の燃料・電力供給途絶リスクの対策として、燃料・電力貯蔵が有効に機能することを確認した。