電気学会全国大会講演要旨
4-179
kHz帯PLC用N-L/N-PE伝送方式の検討
◎吉澤幸晃・都築伸二・山田芳郎(愛媛大学)
従来のkHz帯PLC(電力線通信)の信号伝送方式では, Neutral(N)線とLive(L)線との間に信号電圧を印加する(N-L伝送と呼ぶ)ため, 同じ電力線間に並列接続された電気機器の影響を受けて, 受信SNRが劣化する. そこで, 筆者らはN線とL線の代わりにProtective Earth (PE)線を用いるN-PE方式を提案してきた. しかし, 我が国の一般家庭のコンセントではPE極が欠落している場合が多いため, その場合の対策が課題であった. そこで本稿では, 送信側もしくは受信側のどちらか一方のみでもPE線が使用できる場合において, 一方を従来のN-L, もう一方をN-PEとした場合のN-L/N-PE伝送方式の可能性を検討している. 筆者らの所属する研究室(48ペア)にて, N-L→N-PE伝送時の伝達関数を測定したところ, 従来の異相間伝送時と比較して信号減衰を21dB改善できることを明らかにした.