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新幹線オーバラップ構成適正化によるトロリ線摩耗状態の一考察
◎寺川英克・田中賢治・遠藤雅人・毛利 哲・黒川剛士・甲山貴章・米山雄一・小原健志・植松正次・林屋 均(東日本旅客鉄道)
エアセクション、エアジョイントなどのオーバラップ箇所では、2本のトロリ線が平行して架設されており、パンタグラフはこの平行箇所において入口側のトロリ線(A線)から出口側のトロリ線(B線)へ移行する。その際にパンタグラフがトロリ線に衝撃を与え、局部摩耗が発生している。特に新幹線の高速区間においては、在来線のような接続点を設けないこととしているため、トロリ線張替は引留から引留までのドラム全体1.5km 程度一括となり、摩耗による張替周期はドラム内の局部的な最大摩耗点での摩耗進行度に左右される。
そこで本研究では、検測車データより新幹線トロリ線の張替要因を調査し、営業線においてオーバラップ構成適正化のため、架線調整を実施した。その後のトロリ線摩耗量及びオーバラップ構成について考察したので報告する。